エッセイ

ハロウィンに寄せて~魔女の祝祭と恋の魔法


今日はハロウィン。
ゆかいな仮装をして、パーティを楽しむ人もいるのではないでしょうか。
不思議な魔法の世界から見ると、この日には実は、特別な意味があります。
魔女にとって大切な、自然の潮流と自分たちとをシンクロさせる8つの儀式のうちのひとつ。
それがハロウィン(サーオィン)です。
魔女たちは、すべてのものにはサイクルがあると考えており、一年の周期を車輪の回転になぞらえWheel of the Year、“一年の車輪”と呼んでいます。
大いなる死と再生のサイクル、それが自然の摂理だと考えているのです。
このサイクルは、伝統的に女神と男神のドラマとしてとらえられます。
女神は世界であり、大地。
男神は季節の変化を生み出す太陽です。
夏至にピークを迎えた男神の力は、収穫の時期を迎えて弱体化し、サーオィン、つまりハロウィンで死を迎えます。
しかし、冬至のときにまた復活し、新生児として誕生するのです。
つまり、ハロウィンは魔女たちにとって一年の終わりであり、始まり。
古代ケルトの昔から、ヨーロッパでは異界との隔たりが薄れる日と考えられ、占いも盛んにおこなわれるのだとか。
生と死の狭間で、不思議な力が働くと信じられているのではないでしょうか。
そんな伝統が下敷きとなっているハロウィン。
今回は、ハロウィンに特別よくきくかもしれない、
恋のおまじないをお教えしましょう。
恋人がほしい、あるいは運命の人の登場を願っているあなた。
おいしそうな、赤いリンゴをひとつ用意したら、くるくるとなるべく長く、リンゴの皮をむきます。
リンゴの皮がむけたら、下の呪文をとなえながら、その皮を自分の左肩越しに投げましょう。
「聖シモンと聖ユダさま、無理を承知でお願いします。
私のいい人の名前の最初の文字を、たった今教えてください!」
さあ、振り返って、落ちた皮をじっと観察して。
何となくそれが、アルファベットの形に見えてきませんか……?
それが、あなたの将来の恋人のイニシアル。
もしかすると、一生のパートナーとなる、
運命の相手になるかもしれません。
楽しいイベントとして日本にも定着しつつあるハロウィン。
時には、古い伝統を思い出し、
その厳かな世界にふれてみるのもいいのではないでしょうか。